June 1, 2023 VxWorks

ソースコードが組込み開発者の秘密兵器となる9つの理由

お客様が、ソースコードへのアクセスをこれまで重要視していなかったとしたら、コードを修正する機能や長期にわたるテクニカルサポートの両面において、どのような制限に直面することになるのか、今一度考えてみてください。

リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)のソースコードへのアクセスが、その上で動作するソフトウェアを開発する者にとって非常に重要であることは言うまでもありません。

2007年に、ウインドリバーはVxWorksにソースビルドを導入しました。その後すぐに、バイナリライブラリがVxWorksリリースからなくなりました。以来、ソースからのビルドは、VxWorksイメージの作成プロセスの基本となっています。さらに最近では、ウインドリバーがサポートするすべてのアーキテクチャのコードが含まれるようになり、現在はすべてのお客様がどのアーキテクチャでもビルドできるようになりました。VxWorks 21.11からは、お客様にgitリポジトリへのアクセスを提供することで、各バージョン間の違いを追跡できるようになりました。

ソースコードへのアクセスが組込み開発者の秘密兵器になり得る9つの理由を紹介します:

1. ソフトウェア開発:ソースコードにアクセスすることで、開発者は既存のソフトウェアライブラリの修正や拡張、またはニーズに合った新しいライブラリの構築(新機能の追加など)が可能になります。また、ソースコードにアクセスできることで、開発者は、デバッガやメモリアロケータなどのサードパーティ製ツールをワークフローに統合して、開発環境(IDE)をカスタマイズすることができるようになります。

2. カスタマイズ:ソースコードにアクセスすることで、開発者は組込みシステム特定のニーズに合わせてRTOSをカスタマイズできます。機能を追加または削除したり、パフォーマンスを最適化したり、リソースの使用量を削減したりするためにコードを修正することができます。

3. セキュリティ:セキュリティは組込みシステムにとって重要な課題です。ソースコードにアクセスすることで、開発者はコードをレビューして潜在的なセキュリティ脆弱性をスキャンできます。これは、安全で潜在的な攻撃から保護されたシステムの開発に役立ちます。

4. デバッグとトラブルシューティング:開発者が基盤となる OS を含むソースコードにアクセスできると、すべてが可視化されるため、デバッグが容易になります。

5. パフォーマンスの最適化:ソースコードは、コード内のボトルネックを特定することで、アプリケーションのパフォーマンスを最適化するために使用することができます。これは、時間制約の厳しい、高いパフォーマンスが要求されるリアルタイムアプリケーションに特に有効です。

6. 容易なメンテナンス:ソースコードは、アプリケーションがどのように開発されたかの履歴を提供し、開発者がアプリケーションの動作を理解することを容易にします。

7. 移植性:ソースコードを使用すると、開発者側の労力やベンダーロックインが少なくなり、異なるハードウェアアーキテクチャ間でアプリケーションを移行することや、プラットフォームやオペレーティングシステムから別のプラットフォームやオペレーティングシステムにアプリケーションを移行することが容易になります。

8. サポート:ソースコードには、ネットワーク、グラフィックス、シリアルポートやファイルシステムなどの一般的な機能のサポートが組み込まれているため、ソフトウェア開発者は、このあらかじめ書かれたコードを利用することで時間を節約することができます。また、RTOSがEOLになった場合や、何らかの理由でサポートが受けられなくなった場合でも、ソースコードがあれば自身でメンテナンスすることができます。

9. ソフトウェアのスキャン:オープンソースソフトウェアやその他のライセンススキャンなど、ほとんどのスキャンツールは、バイナリ上では動作しません。ソースコードへの可視性がなければ、製品とともに出荷しているコードを完全に検証することはできません。

リアルタイムオペレーティングシステムのソースコードにアクセスできないなどでお困りのお客様は、ウインドリバーへご相談ください。また、オンラインでのVxWorks のライセンスの取得や、当社のエキスパートとのライブチャットも是非ご活用ください。