DevSecOpsのプロフェッショナルは、それぞれの分野の歴史上、他の誰も直面したことのないある課題を抱えています。しかし、効果的なフルシステムシミュレータによって、テスト時間を短縮し、効率を最大90%改善できるとしたらどうでしょうか。
プログラミングとコンピューティングの時代において、ソフトウェア開発者とエンジニアは、企業が競争力を維持するためには、様々な技術スタックの組み合わせや異なるプロセッサアーキテクチャ、複数のエンドユーザーデバイス、そしてもちろん、幾つもの階層のネットワークセ
キュリティを考慮する必要があります。
ソフトウェアの設計とテストの反復において、DevSecOpsチームがすばやく作業を回せることがかつてないほど重要になっています。力業で頑張るのではなくもっとスマートなやり方が求められているのです。
ハードウェアベースのテストがもう限界になった理由
ハードウェアベースのテストは、何十年にもわたって標準的なものでしたが、今日の環境ではいくつかの制限があります。まず、ハードウェアベースのテストでは、最新のハードウェアが利用可能であること、プロトタイプがさまざまなデバイスやオペレーティングシステムをサポートしていることが必要です。この基本的な要件に加えて、開発者がエラー状態の調査やリグレッションテストを実行する必要がある場合、ハードウェアであるが故の限界を認識する必要があります。最後に、スケールを拡大して成功するためには、DevSecOpsチームが効率とイノベーションを最大化するために、より良いコラボレーションを主導する必要があります。 そこで登場するのが、クラウドベースのシミュレーションプラットフォームです。 Wind River Simicsは、「チップからシステムまで」のデジタルツインを作成することができるフルシステムシミュレータです。ウインドリバーのシミュレーションプラットフォームにより、企業はDevOpsチームを加速して効率性を高め、平均で80~90%のQA時間を短縮することができます。 今後数年間、競争力を維持するためには、どの企業でもフルシステムシミュレータを取り入れる必要があるでしょう。多くの企業は、例えばサイバーセキュリティ攻撃シミュレータの重要性は理解していますが、複雑なシステムのためのフルシステムシミュレータの重要性はあまり認識していません。
クラウドベースのシミュレーションソフトとは、どのようなものなのでしょうか?また、どのように使用するのでしょうか?
Simicsが提供しているシミュレーションを使うと、ユーザのハードウェアのデジタルツインを構築することができます。これは、ソフトウェア開発者がテストしたり、トラブルシューティングしたり、単一または複数のソフトウェアテストの同時実行結果を記録したりするためのシミュレートされた仮想環境です。
「テストの60〜80%は、ハードウェアベースのテストからシミュレータベースのビヘイビアテストに移行することができます。そして、そのテストを関連付け、カバレッジ解析を行うことができ、ハード
ウェアテストへの依存度を減らすことができます」
シミュレーションテクノロジーを利用することで、開発者はソフトウェアのテストを実行、反復、自動化することができ、インテリジェントエッジが持つ高度で複雑なソフトウェアをかつてないほど迅速に立ち上げることができます。また、仮想システムは、簡単に複製できますので、どこからでもより多くのテストを回すことができます。特注のハードウェアを準備しなければいけなことからも解放され、コラボレーションを容易化します。 つまり、長く使い続けられる堅牢なソフトウェアを構築でき、テストをより効率化し、将来のテスト自動化につなげられることを意味します。
シミュレーションにおいてディターミニズムが重要な理由
シミュレーションにはディターミニズム(決定論性)という優れた特性があり、ベースラインさえ作れば何度も再実行したり記録したりしても全く同じ結果が得られます。 このことから、本来ならテストするのが難しい環境や状況下であってもソフトウェアのテストをシミュレーションできます。例えば、意図的にソフトウェアに罠を仕掛けたり、管理された状態でソフトウェアに故障を仕掛けたりするなど、コード上のさまざまな部分に対して特異な状況での動きをテストすることができます。 このシミュレーションは、DevSecOpsのプロフェッショナルが与えられた課題に対して合理的なアプローチを採用し、時間の経過とともにソフトウェアを進化させるのに役立ちます。「ソフトウェアを作りあげることが重要なのは分かります。しかしもっと重要なのは、ソフトウェアをテストすることです。そうすれば作ったソフトウェアを長く使い続けることができるようになりますし、テストもより効率化されていきます」
クラウドベースのシミュレーションソフトウェアを使用する4つの理由
クラウドベースのシミュレーションは、複雑化するシステムおよびソフトウェア設計のテストとQAプロセスを合理化するだけではありません。以下に、シミュレーションを活用したテスト環境に移行することで、チームが享受できる4つのポイントを紹介します。
1. スケーラビリティ(拡張性): クラウドテクノロジーにより、シミュレーションの規模を拡張することができます。例えば、1つのボードや1つのCPUをシミュレーションするだけでなく、基地局全体のシミュレーションを行うことができます。
2. 開発者のコラボレーション: ソフトウェア開発はチームワークです。シミュレーションをテスト媒体として使用することで、ハードウェア間の個体差によるさまざまな結果の相違を少なくすることができ、グローバルなコラボレーションが容易になります。これは、開発者が集結し、信頼できる唯一の情報源を見ることで、一緒にソフトウェアを改善するのに役立ちます。
3. 開発期間の短縮: チームによるグローバルなコラボレーションを可能にすることで、ソフトウェアの設計とテストにかかる時間や、エラーを減らすための時間を劇的に短縮します。実際、ウインドリバーのお客様は、ワークフローにシミュレーションを導入した後、80〜90%の時間を短縮することができたと報告されています。
4. Simicsによる効率化: フルシステムシミュレータは、ソフトウェアエンジニアが複雑な電子システムのハードウェアをシミュレートするために使用することができます。チームのコラボレーションを支援し、常時稼働するプラットフォーム上で迅速に仕事をこなすことができます。
ソフトウェア開発チームのためのシミュレーションの始め方
https://www.windriver.com/japan/contact